あるユーザの技術部長と小川の対談内容抜粋

―― 「メカシリンダの組付け」について ――
技術部長 ダイアディックでは最近、新商品の発表以外に「メカシリンダの組付け」についてかなり力を入れて、資料を発表しています

何があったのですか?

小川
お蔭様で、ユーザ層の拡大、ユーザ数の増加がこの1、2年やっと軌道にのってまいりました。その点は大変ありがたいと感謝しておりますが、
「メカシリンダの使用方法」、「組付け方法」 につきまして、私どもからの情報不足とユーザ様のこれまでの習慣との2つの要因で、「誤った使用方法による破損・故障が増加」しつつある現象が見えてまいりました。

このあたりで何か技術的に手を打っておく必要があるのではないか?と考え、技術資料を作成し、配布をお願いし始めた次第です。

技術部長 なるほど、そのあたりを簡単に説明してください
小川
ユーザがメカシリンダ外部ガイド(LMガイド、等)を併設して使用される場合に、問題を起す例が見られます
技術部長
それがなぜ問題を起すのですか?

ガイドを併設して使用することは日常的に行われていると思いますが

小川 正しくガイドを張っていただければ、全く問題はありません
技術部長 ガイドが正しく取り付けられていない、という事ですか?
小川 いくつかの要因が重なった結果、今までは表に出てこなかった「ガイドの張り方」による問題点が、 メカシリンダを使用するようになって表面化しただけで、どうにも手のうちようがない、というようなものではありません

まず、空圧シリンダに外部ガイド(LMガイド、等)を併設する場合ですが、 目視レベルでシリンダと外部ガイドの平行度を出す事がよくあります。少し気を遣う方は、ここに「滑りタイプのフリージョイント」を使用します

基本的に空圧シリンダは内部にガイド機構を持たないために、目視でシリンダの中心を決め、そのシリンダ中心と平行に、 目視で外部ガイドをセットする方法で、普通は問題なくやれていた経緯があります。これば、習慣化している場合が多くあります

これに対して、メカシリンダ(電動シリンダ)は内部にガイド機構を内蔵しております。 その関係でガイドメーカ(THK、NSK、等)のカタログ資料に掲載されております「ガイドの張り方」に基づく設置方法で設置していただく必要があります

つまり、メカシリンダの走行軸に平行に外部ガイドを設置していただく必要があります。

技術部長 それだけですか?当然の事ですよね

小川 2つの走行軸の平行度が出ていれば問題ないわけですが、もうひとつ考慮しておいて欲しい事があります。 これは見落とされ易いことなのですが、メカシリンダとガイドを取り付ける機械装置(フレーム)の精度が問題です。 一般産業機械のフレームは通常、ボルト組立、溶接組立で製作されているのが一般的です。 従いまして、X、Y、Z 各3軸の直角度、各軸を含む平面度は精度よく製作することは難しいわけです(工作機械のフレームとは根本的に違います)。

このようなフレームに2軸の平行を 0.1mm 〜 0.2mm 以内で設置することは不可能なことと言ってもよいと思います。

技術部長
それでは現実的に使用出来ない事になりませんか?
小川 世の中上手くできているもので、理想に近い「ジョイント」があります。

空圧シリンダを使用しているユーザの中でも、機械装置の精度を考慮して、その「ジョイント」を使用してるユーザはたくさんいるようです。

メーカは

ヒロタカ精機株式会社
フローティングコネクタ標準型(転がりタイプ):押し引き動作可能

株式会社タカイコーポレーション ボールジョイント:垂直動作

滑りタイプのフリージョイントは「芯ズレ補正時に横荷重の大きな変動」が発生する可能性がありますので「転がりタイプのフリージョイント」と指定してご使用下さい

(より詳しい情報・解説は弊社資料を参照して下さい)

技術部長 そのフリージョイントを使用すれば問題は発生しなくなりますか?
小川 組付けにからんだ諸トラブルはこれですべて解決しております。

安心してご使用下さい

終わり・・・