かんたん(CTC)コントローラ に見る技術の飛越現象について

―― 脅威の技術飛越(とびこし)現象(第2回) ――
コーヒーカップ
編集者 「予測と宝くじ」は当たらないと言われますが、その予測ですか?
小川
わたしの予測です、聞いてください。
編集者
「当ててくださいよ」
小川 はい承知致しました。

中国に、これから導入される、一般産業機械の制御コントローラはどのようになっていくのか? という テーマです。

ここで、技術の飛越現象が発生し、対応を間違えると、日本は 5 年 〜 10 年 で完全に置いて行かれる状況が到来しないとも言えない、と言うことです。
編集者 話が見えてきませんが。
小川 最近、弊社商品も中国で使用される機会が増えてきております。
そのなかで、現在は
1.日本製のデッドコピー(dead copy)、又は、類似品 か
2.日本の技術者が現地で対応しているか
という、生産設備機械が大半を占めております。

ここまでの動きは全く当たり前の動きであり、特別なものはみられません。

ここから先の話が重要です。
弊社は国内において、2〜3年前から普及に力をいれはじめた「かんたんコントローラ」 (2010年特許取得済)がありますが、最近は機会のある度に中国でPRをしておりました。
編集者 覚えていますよ 

私も、エンジニアではありませんが、将来的に、面白い、可能性を持ったものであるのではないか? と、薄々感じてはいました。

「やっぱり」というところです。
タバコ
小川 「やっぱり」です。

説明を受けた中国のエンジニアは 「かんたんで良い」 、すべての人が言います。
編集者 かなり水増しした評価ですか?
小川 違います。

その理由として、
1.彼らにはPLC(シーケンサ)の先入観が有りません。
  コントローラはPLC(シーケンサ)でそのプログラムは「ラダー」である
  と言った、日本では当たり前の先入観が存在していないわけです。

2.日本では当たり前な「ラダー屋」が存在しません。
  (全くないわけでは有りませんがその勢力は微々たるものです)
  既得権を侵される人々が存在しないわけです。
  日本ではどちらかというと、新技術に対しては、抵抗勢力になります。

3.従いまして、
  * かんたんで習得が楽
  * 視覚的にプログラム可能
  * リアルタイム・デッバッグが可能
  * 装置設計者が自らソフトを書けコントローラの構築できる

以上のようなメリットが見えたら、放置しておく訳がないという状況が発生しております。
編集者 なるほど、つまり、「PLC(シーケンサ)」+「ラダー」 技術の習得・習熟と言う時期を飛び越えて、 メリットのある「かんたんコントローラ」の世界に入ってくるというわけですね。
小川 その通りです。
編集者 それでは、日本のPLC(シーケンサ)屋・ラダー屋の将来は全く暗いわけですか?
タバコ
小川 それは、「考え方」 と 「やり方」 で、結果は 「その通りです」 と 「違います」 の極端に違った結果が出てくると思います。
編集者 考え方ですか、教えて下さい。
小川 新技術と共存・共栄ができる 「ハッピーな方向」 についてはなします。

唯一の道は 「新技術を取り入れて、それを自らの武器にし、その上で、従来のPLC(シーケンサ)技術の良い所取りができる、賢い制御屋に大変身出来るかどうか?」 にかかっていると思います。

いずれにしても 「賢い技術屋」、「柔軟な考え方を持った技術屋」 で ないと、難しいとおもいます。
編集者 相変わらず過激な表現ですね、 「□□な技術屋は死ぬ」 というわけですか?
小川 私も同じ国の技術屋が生き残り、繁栄して欲しいとはおもいます。

ただ、最近PR活動にも限界を感じ、
「なんの先入観・既得権のない無地な場所での普及活動の方が効果は大きいのではないか?」
 と、感じ始めているところでもあります。
編集者 話が長くなり、テーマが重くなってきて少し疲れました。チョット、休憩しましょう。
小川 わかりました。
終わり・・・