ある雑誌編集者 と 弊社小川との対談内容(第2回)です
− サーボ機器の利用・応用について −

―― サーボ機器の利用・応用について ――
編集者 次をお願いします
小川
次は、空圧シリンダでは考えも出来なかった、動作途中での走行速度を変更できることを取り上げます。

この動作は空圧シリンダでは恐らく不可能な動きであると思います。

従いまして、この動作を実現できていた空圧機械は存在しなかったとも言えます。

具体的な置き換えは、直ぐにはわかり難いと思いますが、「ショックレス停止」が求められていたが、それが難しく、「ショックアブゾーバー」を挿入して「お茶を濁していた機械」などは即、この動作「ショックレス停止」がアブゾーバなしで実現できます。

振動・衝突・騒音→機械装置の破損 

と言った 不具合の図式から開放されます。

タクト・タイムを詰めるための高速化を計る場合

「衝突マシン」 → 「ショックレス・マシン」

へのエンジニアの頭の切り替えと機械装置の改善・改良が必須です。

編集者
「ショックレス」と言う、永遠の課題が簡単にクリアーできることがよくわかりました。これと似たような動作で「セルフコントロール機能」とか言うのが有りましたですね
小川 良くご覧になっていますね。ありがとうございます。

似ている動作をしている、させている物は有りますが、中身はかなり違っております。

「ショックレス」のところでしたことは、1つの動作(工程)の中で

「スタート」→「速度ゼロから加速」→「高速動作」→「減速」→ [停止]

を行っております。

これに対して「セルフコントロール機能」はどのようなものか? と言うと

1軸のシーケンサを組み合わせ、複数工程を連続した繋ぎで実行し、たとえば「簡易挿入機」「簡易圧入機」が、スタートボタンのワン・プッシュで実現出来る機能を持った簡単な機械装置機能です。

動作は似ておりますが、複数工程を連続して実行し、ある機能を実現している点が、1つの工程内での「ショックレス」動作と違う点です。

簡易挿入機の工程は以下のようになっております。

部品挿入・部品圧入工程

「エアー・カット(高速)」→「ワーク接触(低速)」→「ワーク圧入(低速)」
→「規定位置まで押し込み」→「加圧時間設定」→「上始点まで高速で戻る」

編集者 この機能は標準機の購入で使用できるようになっていましたね。

貴社の資料を読んでいる私が混同してしまうようでは、

・市場でかなりの混乱が発生しているか?

・難しい機器である

と見られている可能性が高いといえますね。

それにしてもダイアディックシステムズの広告・宣伝能力は技術力に比較して、かなり低レベルと言えるのではないですか?

小川 厳しいですね。申し訳ありません。至急改善の策を講じます。
編集者 次のテーマに移りましょう。
小川 承知しました。

最近はやりの脱エアーで グリーン・ファクトリ等にも関係してきますが、クリーン環境が最重要な食品製造ラインにおいて、エアー・ホースの劣化破損・事故破損による周囲環境汚染を避けたい場合、電動化で、即、解決します。

特に、空送配管の劣化が発生する時期の食品工場では、緊急の課題であり、提案をされたら、直ぐにでも飛びつきたくなるテーマであると思います。

編集者 販売店の業務からは、なかなかこのような提案は、やりにくいものですが、切り口を変えて、話をしていくことも必要でしょうね。
小川 本日の最後のテーマ、省人化対策の一つであります、低推力搬送マシンについて話をさせていただきます。

このテーマは、人間の数が特に多い、車の組み立て製造ラインの省人化対策として始まったテーマです。

「低推力搬送マシンの実現」
   ⇒「安全搬送の実現手段の一つである機械の実現」

空圧の得意分野である

「高圧・高推力」 分野の対極に位置する 「低推力搬送機械」が車の組み立てラインで求められています。

その目指すところは、人間の近くで動作する搬送機械が、人間と接触した場合、機械が即、停止し、人間を傷つけないことが求められている性能です。

その力は、一応70N(7Kgf)が最大で、実用機は40N(4Kgf)程度を目標に作られています。

この種の機械には トルク制御が可能で、かつ、低速走行が簡単に実現可能である、

サーボモータ、または、サーボシリンダの独壇場です。

最後に、空圧と電動サーボの相違点をまとめておきました。

   空圧          電動サーボ
 「衝突停止」   と  「ショックレス停止」
 「行って来い」  と  「多点停止」
 「おっぱなし」  と  「コントロール」

これらの観点から応用分野の見当をつけて頂ければ、サーボモータ、サーボシリンダの更なる利用分野が開けてくるものと考えます

終わり・・・