ある雑誌編集者と弊社小川の対談内容抜粋

―― タッチパネル システムについて ――
編集者 先日、大阪の機械要素技術展 でダイアディックシステムズの新商品をいくつか見せてもらいました。

その中で、「見えるコントローラ(CTC-67A)+タッチパネル システム」が展示されていて、その説明に 「液晶タッチパネルのラダープログラム無償提供」という 「ビジネスにならないビジネス」を提供すると言っていました。

「ほんまにやれるんかいな?」という気がしました。本日はこの点について「何を考えているのか?」聞かせて下さい

小川
さすが良くご覧になっていますよね。「眼の鋭さ」 恐れいります。

誤解がないように初めに申し上げておきますが、すべての「ラダープログラム」を提供するわけではありません。

タッチパネルの画面装飾(表紙)やロゴマーク、ユーザシステムにかかわる部分は、当然、弊社で対応できる訳がありません。

また、弊社製品の見えるコントローラ(CTC-67A)は、動作フローに従って、マウスのドラッグ アンド ドロップだけでプログラミング可能ですので、ここはユーザ殿に作成して頂きます

サーボモータ、シリンダ、見えるコントローラ 等の「メカシリンダ システム」を動かす機能の「液晶タッチパネルのラダープログラム」に限定させて頂くわけです

「ビジネスにならないビジネス」については、のちほどご説明させて頂きます。

編集者 なるほど、それではどのような機能の「プログラム」を考えておられますか?
小川
細かくなりますが、タッチパネル上での

・シーケンス スタート
・シーケンス ストップ
・非常停止
・ポイントデータ(位置、速度、等)の編集
・原点復帰
・軸を指定してのジョグ運転

このような機能の「ラダープログラム」の無償提供を予定しております
編集者
どこのシーケンサでも可能ですか?
小川 シーケンサのメーカは当面、限定させて頂きます。

具体的には標準として

・三菱製
・オムロン製
・キーエンス製 のシーケンサ
に対応させて頂きます。

標準以外では

・IDEC製
・松下製 
・その他
標準以外のメーカ様については、ご相談下さい

編集者 タッチパネルについてはどうですか?
小川 業界で一般的に使用されているものなら問題ありません
編集者 「ビジネスにならないビジネス」についてはいかがですか?

小川 これは一般産業機械が「化石」の時代に居るという考えに関連しています

現状タッチパネルを使用する装置では、好むと好まざるにかかわらず、シーケンサを使用しなければならないようになっております。
(これは、タッチパネルのメーカの技術的怠慢と私個人は考えていますが、現状どうしようもありません)

このような技術的な制約を負った上でないと、タッチパネルが利用できないわけです

「ラダーをやめませんか?」と提案している弊社が、タッチパネルを使用する場合はユーザ殿に、シーケンサのラダープログラムを書いて下さい、とお願いするのは矛盾でありまして、手前勝手な論理になってしまいます

「化石」の時代と指摘した「ラダー」をメーカとして、商品化してビジネスをすることの居心地の悪さとも言えます

従いまして、決まった機能であり、これらを個々のユーザ殿で個別に苦労して作成してみても、あまり意味がないと考え、それなら「標準ライブラリ」として、我われがご用意して、それをユーザ殿で有効活用していただくことがよいのではないか?と考えた次第です。

これなら自己矛盾は生じないわけで、その上、ユーザ殿に喜んでいただけるなら、それでよしと考えました

編集者
何となく理解できますが、それにしても「ダイアディックシステムズは商売がヘタですね」
小川 ご指摘の通りですが、「技術的にスジを通した商品を提供する」という弊社の基本にかかわってきますので、ここは「こだわって」敢えて「ラダープログラム ライブラリの無償化」を打ち出したわけです。

言い換えれば「理の通らないことはやらない」弊社のポリシィとでも考えて下さい

編集者 それでは、どのような形態・方法でユーザにラダープログラムを提供していかれますか?
小川 ラダープログラムの個々に型番を付けます。例えば、

三菱製シーケンサ用の
・「シーケンス スタート」プログラムなら M-01
・「シーケンス ストップ」プログラムなら M-02

というようにしまして、カタログを製作いたします

ユーザ殿からディーラ殿経由でオーダを発行していただき、そのオーダに対して、CD-ROM形態で納品させて頂く形をとらしていただきます。

また今後のバージョンアップ、修正等の連絡のために会員登録制を採用していくつもりです。

開発が完了しますのは、2006年、12月末と予定しておりますが、すでに、個別的には対応を取らせていただいております

編集者 「ビジネスにならないビジネス」が効果を発揮して、「メカシリンダ」が今後業界に浸透していくことを願いつつ、本日は終わりにしたいと思います。

ありがとうございました。次回も期待しております。

終わり・・・