|
衝突させての物作りから、
コントロールし、ショックレスでの物作りへ
その2
|
|
|
|
|
小川
|
運動エネルギーの概念を取り入れることで、サーボの高速化で一番効果のある、あること が見えてきます。 |
|
|
|
|
編集者 |
出し惜しみしないで、お願いします |
|
|
|
|
|
小川 |
学校で教わった事があると思いますが、「運動の方程式」 があります。それは
F=1/2mv^2
という1)式ものです。
ここで、Fは運動エネルギー、mは物体の質量(重さ)、vは物体の速度になります
|
|
|
|
編集者 |
今度は物理の講義ですか
|
|
|
|
|
|
小川 |
この式は、基本的な方程式ですが、
サーボの高速化の全てを現す「ありがたい式」
でもあるわけです。
|
|
|
|
|
編集者 |
どうありがたいのですか? |
|
|
|
|
|
小川 |
生産機械のタクトを1/2に短縮したい場合(しなさいと業務命令が出た時)に役立つ魔法の方程式なのです。
普通のエンジニアはここでサーボモータの容量アップを考え、実行し、失敗します。
これが一般的な流れです。
|
|
|
|
|
編集者 |
モータの容量をアップすれば、高速化が可能になるのではないですか? |
|
|
|
小川 |
なりません。
先ほどの式で、物体の速度vを2倍にすると、運動エネルギー(F)4倍となりますので、モータの容量アップは正解のように見えます。
でも、念の為言っておきますが、2倍 つまり1KWのモータを2KW ではダメなわけです。
賢いやり方は物体の質量を1/4にしてやれば、高速化後の運動エネルギは変化無く、つまり倍速にして、かつ、モータ容量はそのままで良いということになります。
1/4に質量を軽くする手法は、機械屋さんの能力次第と言うことになります
|
|
|
|
|
編集者 |
なるほどそうですね。
先程の話で、モータ容量2倍アップではダメで・・・・との話が有りましたが、お金のある会社で、サーボモータの容量を4倍にすれば良いのではないでしょうか?
|
|
|
|
|
|
小川 |
理論の上ではそれも正解ですが、多くの場合は、そのモータ4倍はうまくいきません。
それは、機械装置の剛性が1KWで折り合いがつくように機械設計ができており、その機械に4KWの容量増加を行うと、エネルギーの出し入れ量が4倍になるわけです
機械剛性が不足し、騒音発生源になることがよく見られます。また、加速エネルギーは機械フレーム(ベース)の逃げ(変形し)で、消費され、物体の加速に使用されないでムダになります。
|
|
|
|
|
編集者 |
成る程、サーボの高速化のテーマが「あまりうまくいかない要因は、そんなところに有った」わけですか?
わかってしまうと簡単なことですね
|
|
|
|
|
|
小川 |
そうなのですが、これを技術的に理解し、実施される場合より、過去の経験則から実施されているような気がします。
それゆえに、知らない人達は「ずーと、しらないままで・・・・」となってしまうわけです。
技術が横流れしない典型例です。
つまり衝突 → ショックレス(エネルギーの制御)
に機械の運転を変えることが、機械のグレードを大きくアップさせることにつながるわけです。
|
|
|
|
|
編集者 |
高速化の話はまだテーマが続くように思いますので、機会をみてこの続きをお願いします。 |
|
|
|
|
終わり・・・
|