アブソリュートセンサについて

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サーボモータに使用するアブソリュートセンサについて(第1回)
コーヒーカップ
編集者 最近、アブソリュートセンサを開発したとの話しを聞きましたが?
小川
さすが情報が早いですね、
一度、簡単に、アブソリュートセンサの来歴をどこかでまとめておきたいな、と考えていた所です。
それでは、本日は サーボモータ の フィードバックセンサ として使用された用途に限って少し触れさせてください。
編集者
20年、30年 経過すると産業界では、当時の事を知る技術屋が少なくなり、過去の経験や技術の流れを少しでも知っていれば、防げたクレームやムダを、知らなかったばかりに、再度繰り返す,愚を犯すことも多々ありますよね。
これも、何かの役にたつと思います。
但し、簡単にお願いいたします。
小川 私の知る限り、需要の発端は 「 ある中部地区自動車メーカの生産技術 」 で、用途は多関節の溶接ロボットであったと記憶しております。
1980年代前半で、サーボモータでは 「 ブラシ付きのDCモータ」 から 「 ブラシレスモータ 」 へと、モータが大きく変わる時期とほぼ、時を同じくしていました。
編集者 自動車用の溶接ロボットが必要とした技術だったわけですね。
小川 その通りです。
「 くるまの生産ラインに入れるためには、絶対に機械式のアブソリュートセンサ でなければダメである 」 と 言う非常に卓越した、技術見識をもたれた、生産技術者の方がおられて、強力に推進されておりました。
編集者 今、「機械式アブソリュートセンサ」 という単語が出てきましたが、それは何ですか?
確か、今のアブソリュートセンサは、バッテリを使用しているセンサかと思いますが、聞きなれない単語ですね。
タバコ
小川 時の流れを感じますね!
当時は、アブソリュートセンサ と言えば 「 機械式 」 が当たり前で、今のような「 バッテリ方式 」 は 話しにはでていましたが、 「 簡易式 」 あるいは 「 擬似アブソリュート 」 との位置つけで、実用化されていませんでした。
機械式というのは、センサには複数個のレゾルバ(光学エンコーダではなく、回転トランス方式の絶対位置検出センサ) と 歯車減速機構 を組み合わせたアブソリュートセンサで、現在の技術レベルからみてもその 「 信頼性の高さ 」 は負けていないと言うか、超える物は出てきていないと思います。
このセンサを市場に供給していたメーカは日本に2社ありました。
編集者 その機械式アブソリュートセンサは、どれくらい続いたのですか?
小川 およそ5年間程度と記憶しています。
つまり1985年頃からバブル崩壊の1991〜2年頃です。
その間、基本的なところで、技術的な問題、信頼性の問題はまったく発生いたしませんでした。
考えてみれば、当たり前な訳です。
レゾルバは第二次世界大戦前から兵器の角度割り出し器として使用され、歯車はそれよりはるか昔より使用され、いずれも「枯れた技術」であったわけで、それを組み合わせたものが基本的な問題を発生させるハズがないわけです。

話は飛びますが、そのレゾルバーは近年また需要が隠れたところで発生しております。ハイブリッド自動車のエンジン回転数検出に耐環境性能が特に優れていることから利用されていると聞いております。
編集者 そのような優れたセンサーがなぜバッテリ方式に代わってしまったのですか?
代わって問題はなかったのですか?
次回に続きます・・・
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