ある雑誌編集者 と 弊社小川との対談内容(第3回)です
− 装置のフレームとガイド、リニアーアクチュエータの関係(その3) −

―― 装置のフレームとガイド、
リニアアクチュエータの関係 ――
休憩
編集者 NC工作機械と専用機の件ですが、NC工作機機はうまく対応出来て、専用機はどうも対応がうまくいかなかった、という話ですが、少し補足してください。
小川
一言で言えば 「技術競争原理がその市場に存在したか? どうか?」
これにつきます。
つまり NC工作機械の場合は、【 送り軸のサーボ化 】と 【 NCコントローラ 】 の道具立てが完成した時に、
「次に何をやれば、他社との差別化が可能か?」
を考え、CADとの結びつき、マン−マシン・インターフェースが競争のポイントになり、「使いやすいマシン」競争が激烈に行われた結果、日本のメーカが勝ち、米国・EUの競合を押え、当然、途上国の追従も跳ね返し、ご存知のように、数年前から中国市場等に大量に輸出されたわけです。

それに比較して、専用機の世界では、「空圧、油圧、ラダー」が50年継続して使用され、かつ、市場は完全にクローズで、競争原理が全く働かない無風・無菌状態が続いたわけで、生き残りをかけた競争は存在していなかったと言えるのではないでしょうか?
休憩
編集者 かなりキツイですね。
小川 まだまだあります。
「リーマンショック」の時、我社はこれで流れが変わり、技術の新しい改革・改善がはじまり、無風50年が動き出すと期待したわけですが、その期待は見事に裏切られました。
編集者 何が起きたのですか?
小川 一般産業機械業界は
「皆、静かになり、嵐が過ぎ去るのをじっと耐える」
スタンスを大方の企業で選択されたようです。
このようなことは、前職の時にお付き合いさせていただいた、自動車、工作機械、多関節ロボット業界では全く考えられませんでした。 現場では雇用調整金をもらい生産は一時しぼみましたが、設計開発部隊は限界までやらされた記憶がありました。
つまり、他社より良い物が開発出来れば、市場規模が50%に落ちても、自分らは生き残れるといった考え方がありました。
これが製造会社の普通の姿であると思っていましたが、一般産業機械業界はかなり違っていました。
編集者 それについては、開かれた市場がない専用機業界では、いたしかたない部分もあり、個々の工機メーカの責任とは言えないのではないですか?
休憩
小川 その通りですね。
こんな時には、業界団体とか国とか、個人・私企業の枠を超えた リードオフ・マン的な団体やスーパーマン的なひとに期待するしか方法はないのですかね?
我々は「変わろうと思っている企業・人にその手段・方法を提供できたらいいなあ」と考えて、ほそぼそとPR活動と企業活動を続けているわけです。
次回に続きます・・・