ある雑誌編集者 と との対談内容抜粋です(第2回)
− サーボシステムの問題点 −

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―― サーボシステムの問題点 ――
編集者 「1.動かすのが、難しかった」
これについては、ユーザ側の責任は全く無いと思うのですが、どうですか?
小川 その通りです。
サーボモータ と そのドライブ方法についてですが、サーボモータは40年位前から現在まで、
「ブラシ付直流サーボモータ」 → 「ブラシレスサーボモータ」
へと、遷り替ってきました。
その中で、モータを回すための入力信号の種類は、
1.直流アナログ電圧、ゼロ・ボルトで停止、
  (+5VでCW1000rpm、- 5VでCCW1000rpm など)
2.次に、パルス列入力を使用
  「位置」 と 「速度」 を正確に制御

この方式は、現在でもかなり一般的に使用されています。

そして、
3.データ入力(位置、速度、加速度、その他)

さすがに、現在では、「1.直流アナログ電圧、ゼロ・ボルトで停止」は 特殊な用途以外は使用されることは、なくなりました。
編集者 なぜ、それほど違った方式がコロコロと使われてきてるのですか?
小川 サーボ屋は 「 モータ 」 と 「 アンプ 」 ができた時に、その時、その時、一番使いやすい方式を「勝手に選択」して使ってきた経緯があります。
ここでは、ユーザの「使い勝手」と、いう概念は全く有りませんでした。 つまり、
新しいモータ
ブラシ付き直流モータ → ブラシレスサーボモータ → ステップモータ
新しいアンプ
アナログ・アンプ → デジタル・アンプ → ステップモータのクローズ・アンプ

その時、その時に、メーカのエンジニアが好む方式を
「ユーザ使い勝手を全く考えないで採用した」
訳で、当然時間経過した後から振り返れば、全く統一感がないわけです。

「私が言ってはいけない」訳ですが、「現在から見れば、過去はこのように混乱の極み」であると言えます。
編集者 そんな事を言って、開き直られても困ります。何とかする方法はないのでしょうか?
小川 ダイアディックでは、創業時(約15年前)に、この問題に対しては対応策を明確にしてスタートしております。
編集者 どんなものですか?
小川 弊社のサーボモータの用途を、PTP(Point To Point)専用と決めました。
工作機械、多関節ロボット、等 の用途は完全に捨て去り(既存サーボメーカに任せれば良い)、その上で 当然、
・アナログ電圧は採用せず
・パルス列も採用せず
・単純なデータ方式採用せず
として、サーボユーザの 「機械屋さん」 の使用する「物の位置」、「物の速度」、「物の加速度」、を簡単な方法で教示(ティーチング)する手法。

・・・・手パ(手動パルス発生器)の手法・・・

を用いて、どのように物を動かしたいか? が、解っている人なら誰でも動作可能であるようにしたサーボシステムを用意したわけです。
編集者 なるほど・・・
小川 一言で言えば、
「動かすのが難しかった」、
「職人がいないと動かすことが出来なかった」
のが サーボ であり、この理由が半分、残りの半分は 「コントローラの開発費用が膨大であった」事に大きく影響されていたと考えます。
次回に続きます・・・